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■タイムマシン■その9 [映画]

タイムトンネル 第20話 『ジェリコの城塞』■
 ダグとトニーは、タイムトンネルにより時空を超え、ある野営地に現れる。すぐに、兵士に見つかり、あやうく殺されそうになるが、間一髪、指導者に助けられた。その指導者は、ヨシュアといった。電子工学のみならず、旧約聖書もそらんずるダグとトニーは彼がユダヤの指導者ヨシュアであり、その軍団が包囲する町はジェリコだと確信する。つまり、このエピソードは旧約聖書にもとづいている。
 指導者ヨシュアは、ダグとトニーが未来から来たと主張するが、むろん信じない。しかし、ヨシュアが神から授かり、誰にも話していない秘密の作戦を、ダグとトニーが言い当てると、一転、信用するようになる。このヨシュアが神から授かった策というのが、旧約聖書に登場する有名な逸話だ。ダグとトニー、そしてタイムトンネルに映し出された映像を見守るスタッフたちは、聖書に登場するあの逸話が本当に起こるのか、息を呑んで見つめていた。

  この第20話『ジェリコの城塞』では、舞台となった町は『ジェリコ』となっていた。しかし、『Jericho』を英語読みではなく、エリコ、イェリコと読む方が正解らしい。とはいえ、ここではタイムトンネルに敬意を表して、『ジェリコ』とよぶことにする。
 ジェリコは、ヨルダン川西岸地区にあり、死海の8km北方に位置する。海抜マイナス240mという低位置にあり、旧約聖書の世界では極めて重要な町だ。また、歴史上もっと古くから人が住んでいた町でもあり、その歴史は紀元前8000年までさかのぼる。つまり、歴史上、ジェリコの町は確かに存在したのである。旧約聖書によると、モーセの後継者となったヨシュアは、ユダヤの民を連れて約束の地カナンにつく。そして、近くにあったジェリコの町を征服しようとする。これが、タイムトンネル 第20話のモチーフである。

  ヨシュアは、神より授けられた秘策を実行する。6日間、毎日、兵士と祭司が町を1周する。そして、7日目に7周した後、祭司が吹く角笛の音を合図に、すべての民がときの声を上げる。すると、ジェリコの城壁は、音をたてて崩れたのである。むろん、この話は考古学的に実証されているわけではない。しかし、この物語には真実と思われる部分もあり、どこまで歴史で、どこから神話かはっきりしない。地球の歴史には、こんな謎は山ほどあるが、タイムトンネルなら一刀両断、目の前で、真実の映像を映し出してくれる。まさに、あこがれのタイムトンネルだ。

   <続く>


■タイムマシン■その8 [映画]

タイムトンネル 第18話 『星からの侵略者』■


 タイムトンネル全作品の中で、一番のお気に入りである。不安定なタイムトンネルは、時間のみならず、ときには空間の設定も失敗することがあった。このエピソードで、ダグとトニーは、地球に向かう宇宙船の中に迷い込む。この宇宙船に乗り込んでいたのは異星人で、彼らの目的は地球の侵略であった。しかし、時は1885年、アメリカがインディアンとの戦いにあけくれていた過去の世界である。『異星人侵略』というSFネタなのに、時代は過去という設定が面白い。

  異星人たちは、アメリカのアリゾナにある小さな町を標的にするが、その目的は、母星で得られなくなったタンパク質の確保にあった。異星人たちは、大量破壊兵器でおどしつつ、町の住民に従うよう要求する。それを見た町の人々は、異星人に徹底抗戦する側と、怖じ気づいて異星人に味方する側に分かれるのだが、この心理描写が秀逸だ。
  また、異星人のメイクは銀粉を塗りたくっただけのものだったが、無機質で機械的で怖かった。そして、異星人が話す母国語。吹き替えにもかかわらず、妙にリアルなのだ。だが、ネタを明かせば、驚くほど簡単。セリフを日本語で発音し録音、そのまま逆再生しただけなのだ。これほど、手軽にかつリアルに、宇宙語を再現する方法はないだろう。

 異星人と地球人との戦いは、この小さな町だけにとどまらなかった。この様子を見ていたタイムトンネル側にも危機が迫っていたのだ。タイムトンネル側と同じ時間軸に存在する先の異星人の子孫が、タイムトンネルに侵入したのである。この異星人は、過去の地球で行方不明となった仲間を捜索していたのだが、その仲間こそ、ダグとトニーが、1885年アリゾナで遭遇した異星人だった。つまり、2つの種族が、過去と現在の2つの世界で、並行して戦っていたのである。まさに、タイムトンネルならではストーリーといえる。

   <続く>


■タイムマシン■その4 [映画]

タイムトンネルの世界2■

 また、2人を送り出したタイムトンネル側にも、個性的なスタッフたちが控えていた。冷静で決断力に富むタイムトンネル計画のトップ、カーク所長。タイムトンネルの操作パネルの前で、いつも頭をかかえ、悪戦苦闘するスウェイン博士。惚れたダグの帰還を願うが、状況が能力を超え、いつもヒステリー気味のアン博士。彼らはタイムトンネルを通して、時空を旅する2人にさまざまな救助の手をさしのべる。何かあっても、ダグとトニーならなんとかしてくれそうだ。
それがダメなら、タイムトンネルが解決してくれる。この2つの時空世界が同時進行する接点にこそ、タイムトンネルの面白さがある。他のB級SFにはないタイムトンネル独自の世界だ。

 また、ダグとトニーが迷い込んだ時代からタイムトンネルを逆行し、タイムトンネル側に現れる者もいた。それが、危険な人物であったりすると一大事だ。タイムトンネルが破壊されれば、ダグとトニーは永遠に還れない。このような緊急事態では、決まって、タイムトンネルから地下800階を見下ろす視点に切り替わり、サイレンがけたたましく鳴り響いた。多数の警備員が、タイムトンネルが置かれたフロアにかけこむのだが、役に立ったためしはない。このふがいない警備員たちも、ハラハラ ドキドキのタネだった。
  そして、巨大なタイムトンネル本体。シリーズを通じて1カットだけ、タイムトンネルが設置されたフロア全体が写しだされたことがある。立体的で威圧感があり、世界を変えるほどの力を秘めた装置。メカ系 SF マニア必見である。

   <続く>


■タイムマシン■その3 [映画]

タイムトンネルの世界■
 タイムトンネルは、壮大なストーリーだった。アメリカのアリゾナ砂漠の地下深くに、800階建て!の巨大な科学センターが建設され、その中にタイムトンネルなる巨大装置が建造される。それはアメリカ合衆国の国家プロジェクトであり、人間を過去と未来に送り込むための時空装置であった。さらに、過去と未来をスクリーン上に『本物の動画映像』として映し出すこともできた。世界の歴史を変えるほどの画期的な装置ではあったが、1つ問題があった。タイムトンネルはまだ、完成していなかったのである。

 ある日、この壮大なムダ使いを止めさせるべく政府から要人がやってくる。その要人の目的は一つ、タイムトンネル計画を中止させることであった。莫大な予算を食いつしたあげく、まだ完成していないからだ。プロジェクトチームに与えられた猶予は、この要人がタイムトンネルを去るまでだった。誰よりも、タイムトンネルに熱意を燃やす副主任トニー ニューマン博士は、決断する。自らタイムトンネルの実験台になるべく、タイムトンネルのらせん状のゲートをくぐったのだ。ゲートの向こう側は別の世界、つまり、過去と未来が広がる無限世界だった。
 こうして決死のタイムトラベルを試みたトニーがたどりついたのは、なんとタイタニック号だった。処女航海で沈没した歴史上もっとも有名な豪華客船である。このままでは、トニーの命が危ない。今度は、主任ダグ フィリップス博士がタイムトンネルのゲートをくぐった。こうして、ダグとトニーの壮大なタイムトラベルが始まる。

 TVドラマ タイムトンネルの素晴らしさはその世界観にあった。タイムトンネルは、それまでの映画やドラマのように、マッドサイエンティストが密かに取り組む怪しい装置ではない。世界最強国による国家プロジェクトなのだ。この壮大で大がかりな設定が、ドラマ全体にリアリティを与え、独自の世界観を生み出していた。
 また、タイムトンネルの設計者であるダグとトニーは、万能型の頭脳の持ち主であった。本業の電子工学をはじめ、あらゆる自然科学、人文科学に通じ、歴史年表は日単位で記憶しているほどである。タイムトンネルが二人を送り込む先は、未知の時代、未知の場所、つまり異形の世界であり、想像を絶する危険が待ち受けているはずだった。それでも、この2人なら何とか切り抜けてくれるだろうという期待感と安心感。こういう感覚は、見ている方も快感である。

  <続く>


■パイレーツ・オブ・カリビアン■ 呪われたカリブ海のポートロイヤル 2 [映画]

呪われたカリブ海のポートロイヤルその2

■カリブに溢れる海賊たち■
 歴史は、複雑にからんでいく。1517年、ルターの宗教改革で、ヨーロッパ世界は混乱期に入った。フランスでは、同じキリスト教徒が、カトリック派と改革派に分裂し、戦争にまで発展する。カトリック派は、改革派を侮蔑をこめて『ユグノー』と呼んだが、彼らの一部は新天地を求め、カリブ海にやってきた。しかし、その需要をささえるほどの仕事はなく、その多くはカリブの海賊となっていった。彼らは、さっそく、新大陸の収奪品を運ぶスペイン船を襲いはじめた。

 一方、スペインの支配下にあったオランダでは、1568年から独立運動が始まる。カトリックの擁護者を自認するスペインに対し、オランダはその反対の改革派となった。1600年に入り、オランダは東インド会社、西インド会社をつぎつぎと設立、世界貿易の征服にのりだす。
 イングランドやフランスの株式会社は、航海ごとに会社を精算したが、オランダの株式会社は、10年間は資本を返却する必要がなかった。そのため、オランダ東インド会社は、より長期的視野に立つ経営が可能となった。こうして、オランダ船は、カリブ海にもやってきた。そして、その最初の仕事は『貿易』ではなく、スペイン船の襲撃だった。つまり、オランダまでが、カリブの海賊と化したのである。

 一方、イングランドでも、スペイン王室を悩ます事件が勃発する。政治的能力に優れるが、芸術と女性に目がない国王ヘンリー8世は、離婚を認めないカトリック教会を離脱、イングランド教会を設立したのである。こうして、イングランドもまたカトリックと縁を切り、スペインと対立する立場となった。
 さらに、スペインの不幸はつづく。エリザベス1世の治世がはじまると、歴史年表にそのまま名がのる希な海賊、フランシス ドレイクがあらわれる。彼もまた、スペイン船を略奪し、結果的にイングランドの国益に貢献したのである。エリザベス1世を後ろだてにしたドレイクは、大艦隊の提督にのぼりつめ、ついにはスペイン無敵艦隊をも壊滅させる。この事件は、歴史上もっとも有名な海戦の一つとなった。

■バッカニア■
 こうして、カリブ海世界は、フランス、オランダ、イングランドの海賊たちであふれかえり、スペインの不幸も加速していった。スペインが新大陸から収奪した財宝は、カリブ海で海賊に奪われ、スペイン国王の元にとどくことはなかった。もちろん、すべてが犠牲になったわけではないが。
 この略奪者たちは、パイレーツ(海賊)ではなく、バッカニアと呼ばれたが、その定義は明確ではない。パイレーツは私的略奪に終始し、バッカニアは海賊をビジネスとする。パイレーツは私的略奪者だが、バッカニアには国家の後ろだてがある、等々。しかし、スペインにしてみれば、どうでもよいことであった。呼び名がなんであれ、略奪されることに変わりはなく、どれもこれも忌まわしいカリブの海賊に違いなかった。

■審判の日■
 そして、このバッカニアの一大拠点となったのが、ポートロイヤルだった。その歴史は、17世紀中頃、イングランドがスペイン領であったこの地を攻略したときから始まる。その後、ポートロイヤルは、バッカニアの町として大いに栄えた。彼らは、この町を拠点として、周囲の植民地を攻略し、略奪し、世界中の悦楽をむさぼったのである。
 しかし、神がソドムを許さなかったように、ポートロイヤルにも最期のときがきた。1692年、巨大地震がこの町を襲ったのである。大地が大きく裂け、人々を呑み込み、再び閉じ、首だけが地上にころがった。それを、犬がむさぼったという。やがて、大津波がおしよせ、町の大半は海に沈み、跡形もなくなった。こうして、カリブの海賊たちがこよなく愛した天国世界は消滅した。まさに、新世界のソドムとなったのである。

参考文献:増田義郎監修「海賊大全」東洋書林


■パイレーツ・オブ・カリビアン■ 呪われたカリブ海のポートロイヤル 1 [映画]

ディズニーの人気アトラクションから作られたこの映画は、製作者側もこれほどヒットするとは思っていなかったという。
昨年は3部作の最後「ワールド・エンド」も公開されて人気に拍車がかかったが、実はその背景にはかなり興味深い物語がある。
今回はしれを2回に分けてお届けする。

パイレーツ・オブ・カリビアン
 2004年、映画『パイレーツ オブ カリビアン』が日本でも公開された。欧米世界で人気のカリブの海賊ものである。人気俳優のジョニー デップが、とぼけたカリブの海賊役を演じ、女性に好評だったし、CGと実写のハイブリッドな映像もなかなかリアルだった。
 ところで、この映画のサブタイトルは『呪われた海賊たち』だが、映画の舞台となった港町ポートロイヤルもまた『呪われた町』であった。そして、こちらのほうは、れっきとした史実である。

 ヨーロッパ世界で、ポートロイヤルは『新世界のソドム』と言われるほど縁起の悪い町である。ここでいう『新世界』とは、南北アメリカ大陸をさしている。むろんヨーロッパ人の造語で、ヨーロッパもアメリカも歴史の古さに変わりはない。そして、ソドムといえば、旧約聖書に登場する悪徳の町。神の怒りを買い、住民、建物、文化、世界まるごと焼きつくされた町だ。

 旧約聖書 創世記によれば・・・ロトとその家族はソドムの町に住みついた。ソドムの人々は悪徳のかぎりをつくしたので、神はソドムとその隣の町ゴモラを滅ぼすことにした。神はロトに、2人のみ使いをつかわし、それをつたえた。み使いはロトに言った。「あなたの妻と2人の娘たちをつれて、急いで町を出なさい。そして命がけで丘まで逃げなさい。そうすれば、あなたがたは殺されることはないでしょう。ただし、途中で振り向いてはなりません」
 ロトとその家族は言われたとおり、丘にむかった。しかしその途中、ロトの妻はソドムの暮らしを懐かしみ、振り返ったために、塩の柱にされてしまった。こうして、ソドムとゴモラは焼きつくされ、二度と再生されることはなかった。

■カリブの海賊の町■
 『新世界のソドム』ポートロイヤルは、カリブ海の中央に位置し、17世紀中ごろ、おおいに栄えた。カリブ海ルートの要衝であり、500隻もの船舶が停泊できる港を備え、貨幣鋳造所まであった。さらに、1人当たりの貨幣流通額はロンドンを超えるほどだったが、胸を張って誇れない事情もあった。というのも、この町が『カリブの海賊の町』だったからである。

 ある日、1人の牧師がポートロイヤルの船着き場に着いた。イエスの教えをひろめ、堕落した人々の魂を救うためである。しかし、その牧師は来た船と同じ船で帰ってしまった。神のみ使いであり、崇高な魂をもつ聖職者さえ、1日も滞在できないほど、町は腐敗していたのである。
 賭博場、売春宿、居酒屋がところ狭しとたち並び、海賊や人殺し、悪徳官吏らで、町はにぎわっていた。さらに、臭いをかぐだけで気絶しそうなラム酒までが、人々の良心をむしばんでいた。それはカリブの海賊の楽園であり、世界のすべての悪徳が集まる場所であり、聖人には1日たりとも暮らせない町であった。それでもこの町は、れっきとしたイングランド国籍だったのである。

■征服者たち■
 エリザベス女王が統治するカリブの海賊の町?地球上で、このような奇妙な町が生まれたきっかけは、コロンブスの新大陸発見までさかのぼる。政治的能力は乏しいものの、抜群の航海術をもつコロンブスは、1492年10月12日バハマ諸島の小さな島を発見する。コロンブスは島に上陸し、島民の前で誇らしげに『スペイン領』を宣言した。代々島で暮らす島民にしてみれば、仰天するような話だが、言葉が通じないのが幸いした。

 このコロンブスの発見をきっかけに、ヨーロッパ人による地球規模の侵略が始まる。地球の一体化、つまり今で言う世界のグルーバル化が始まったのである。コロンブスの発見から30年、同じスペインのトレジャーハンター、コルテスがアステカ文明を征服。さらにその11年後、コルテスから資金援助を取りつけ、征服手法まで学んだピサロは、ペルーのインカ帝国を滅した。ピサロは、大学中退のコルテスとは違い、字を読むことすら困難だったが、その残虐さと、持ち前の無鉄砲さで歴史年表に名を刻んだ。こうして、スペイン王室は、新大陸侵略のさきがけとなった。しかし、ヨーロッパ世界の欲深いライバルたちが、指をくわえて見ているはずがなかった。

参考文献:増田義郎監修「海賊大全」東洋書林


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